インドネシア語の発音は、日本人にとっては発音しやすいものが多く、そのほとんどがローマ字読みでだいじょうぶなので、英語に比べても格段に話しやすいと思いますし、たいてい通じます。
ただ、いくつか気を付けないと通じないものも多く、日本人はその違いに鈍感、というか日本語を話すときには、実はその違いはあるんだけれども意識していないものがあるので、それを紹介したいと思います。
その一つが語尾の[n]と[ng]の違い。
例えば[makan]と[bilang]です。
[makan]の語尾は[n]、[bilang]の語尾は[ng]ですね。
カタカナで書くとどちらも[ン]になってしまい、日本人はどちらも同じ発音にしてしまいがち。
しかし、この二つはインドネシア人にとっては違う音なんです。
日本人が[マカン][ビラン]といったとき、たいていどちらも[ng]の発音をしてしまっていること、気づいていましたか。
日本語で、[しゃしん][かばん]など、[ん]でおわる言葉を発音してみてください。その時、舌はどの位置にありますか?きっと上の写真の左側のように、下のほうにあって、口の中に空洞ができているでしょう。これが[ng]の発音なんです。なので、[bilang]を発音するときはこれでいいのですが、[makan]と言いたいときは、これでは[makang]と言っているようなものです。
じゃあどうすればいいのかというと、みなさん、[しゃしん]や[かばん]のあとに[で]という言葉をつけてみてください。[写真で][かばんで]といった時の、[ん]の時の舌の位置がさっきと違うことに気づきましたか?
[で]を発音する直前、舌が上あごについていると思います。上の写真で言えば右側ですね。それが[n]の発音なんです。だから、[しゃしんで]という時の[で]を発音する直前の舌の位置のイメージをもって[マカン]と言ってみてください。要するに、最後は舌が上あごの先のほう、上の前歯の後ろらへんにつけるイメージで行ってみると上手に発音できますよ。
[bangun(起きる)]や[bikin(作る)]なんかも同じですね。
逆に[tolong(お願いします)]や[piring(皿)]などはこの発音をすると通じません。
日本人にとっては同じに聞こえる音でも、インドネシア人にとっては違う音に聞こえるんですね。
こういったこと、ちょっと意識するだけでも、格段に上手になりますよ!
試してみてください。
鮮度:2012年12月